父の日に寄せて・・・ 子供時代

私の故郷は宮古島。
宮古島の中心地から車で約10分くらいの位置にある久松という地区だ。
久松の父親達は大体にして、農業か半農半漁で生計を立てている。
半農は主にサトウキビを育て収穫、半漁は畑仕事の合間を見て網を入れたり、タコを採ったりしてそれなりの収入で家族を養ってきた。
その為久松の父親達は本当に働き者だ。
陽が昇る前の暗いうちからサバニに乗って網を引き上げに行く。
(サバにとは沖縄伝統の小さな漁船の事)
そして陽が昇る頃に網を全部引き上げて漁港に帰ってくる。
その後、朝食を取り午前中は畑に行く。
お昼ご飯を取って少し休んだ後、又畑へ行く。
夕方には、又サバニで網を仕掛けに行く。
これが平均的な久松の父親達の生活サイクルだ。

私達が子供の頃はよく手伝いをさせられた。
遊びたい盛りに畑に連れて行かれたり、海に手伝いに行ったりでどれだけ苦い思いをしたか分からない。
私の父親も例に漏れずとにかく一生懸命働いていた。
汗水の量でしか収入を増やす手立ては無いような、そんな気がするくらいとにかく働いた。
子供の時、そんな父親の姿を見て大人になるという事はここまで働かなきゃいけないのかと思い、大人になる事が怖いとさえ思ったほどだ。
しかし当の本人達はそんなにその環境を苦にしていない
それが普通のことだからだ。

沖縄の夏は暑い、とにかく暑い。
そんな中でも畑へ行き、サトウキビの雑草取りをしている。
その当時も今でも頭が下がる思いだ。
そんな環境で働く父親達を見て育ち大人になっていき、ある日父親に対して一つのコンプレックスを持っていることに気づいた。

続く・・・


真夏のサトウキビ植え込みの風景。
この後雨が降らなければ苗はみんな枯れてしまう。
植え付けが終了後は大雨を伴う台風をみんな心待ちにするのである。

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