Memory あかばな

一年前の5月10日、大切な妹が遠い所へ行ってしまいました。
神様って本当に意地悪だと、心の底から妹に与えられた運命を憎みました。
妹はとても気が優しくって、争い事が出来なくって、とても大人しい人間でした。
そんな妹がなぜ?
徒歩1分のところに住む妹の少しづつ弱まってく姿を、平静さを装って毎日接していました。
ひょっとして、気づいていたのかもしれません。
恐怖と弱音を一言も発しませんでした。

最後の頃は家族全員の力を一つにして、悪夢のような運命に立ち向かいました。
南の小さな島、宮古島で生まれ育った私達は東京のど真ん中で、意識もなくなってただ静かに眠っているだけの妹の周りに毎晩集まりました。
そして笑い合いました。
面白おかしい事を誰ともなく話して、毎日のように全員で大笑いをしあいました。
今まで生きてきた人生の中で、家族として一番濃い時間を過ごしたのかもしれません。
私はこの家族を誇りに思いました。
妹の為に出来る以上の事をし続け、明るく楽しい時間を妹のために作り続ける、自分の家族のみんなを誇りに思いました。

5月10日の朝、荒かった呼吸がゆったりとした間隔になり、静かに呼吸が止まりました。
いつか来るとは分かっていても、想像すら出来なかったその時を私達家族は迎えてしまいました。
病院の待合室に泣きながら座り込みました。
壁には青い文字で「ありがとう」と赤いハイビスカスの花が描かれた額が飾ってありました。
妹はとても穏やかな表情をしていました。

とても深い悲しみと辛さ、寂しさは毎日のように襲い掛かります。
その直後は会社の大きなイベントで、西武ドームで「バラとガーデニングショウに出展しました。
設営に一切関われる事無く、我々兄弟を抜かした他のスタッフが頑張って設営してくれました。
会期中は私は車の中で泣きながら会場に向かい、必死の想いで一日ブース内で立ち続け、帰りは又車の中で泣きながら帰るという毎日でした。
そして、今日と明日は今年のバラとガーデニングショウの為に、弟達がブースの設定に向かいます。
あっという間の一年でした。
死ねないから生きているの様なまるで惰性で生きているだけのような毎日でした。
弟達も時には涙を見せあいながらも必死にこの一年助け合ってきました。
奇跡って言う言葉!! それは死にそうになっていた妹が急激に良くなって日常生活が出来るまでに回復する事!
そう思っていました。
しかし奇跡ってそう言う事ばかりではなくて、小さな出来事の中にも奇跡は間違いなく起こっているんだと感じています。
空の上から感じる応援を背中に受けて、毎日一生懸命頑張るしかありません。
昨年11月ある人に、「神様はどうして妹にこんな運命を与えたんだろう?」と言う質問をしました。
その人は「一生懸命生きていれば、答えはその内分かります」と答えました。
その時が来るって事を本気で信じています。
そしてその時が来るまで一生懸命みんなで力を合わせて頑張って生きて行こうと思います。

ピアノの音色ってこんなに優しいかったのかと思いました。
「こんな感じで出来ました」って渡された音源を聞いて、涙が溢れて来て止まりませんでした。
同じ時期に同じような辛い想いをしたピアニストは「清らかな気持ちで弾けました」って話してくれました。
宮古島のハイビスカスの写真を持っていないかと、友人に聞きました。
そしてこんな素晴らしいあかばなの写真を届けてくれました。

作らずには入られなかった歌です。
妹の同級生や家族の為にこの作品を作りました。
宮古島には色んな所で見られるこの花を見る度に、妹の事を少しでも思い出してほしかったのです。
そして自分自身も、仮想空間でもデジタルの世界でも何でもいいから繋がりたかったのです。
英国へ行っても、ベルギーへ行っても、フランスへ行っても、中国へ行っても、簡単に繋がる!!そんな想いがありました。
宮古島のきれいな風景が、いつか私達家族に心穏やかな時間を与えてくれる事を祈って、今日も口ずさみます。

http://www.youtube.com/watch?v=_dZi9F-yeWg

辛くて大変な時に温かい心遣いを頂いた皆様方ありがとうございました。

コメント: “Memory あかばな

  1. ようこ コメント:

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    いい歌ですね、YOUさん。
    うまく言えないけど…
    多分、前にも言ったかもしれないけれど…
    いい人ほど早く逝くんですよね。
    神様が 早く そばに置いておきたいと思うのでしょうか。
    YOUさんが、妹さんの事を想うその時、きっと妹さんもYOUさんの隣に寄り添っているのだと思います。

  2. 管理人 コメント:

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    PASS:
    ようこさん、いらっしゃい。
    ありがとうございます。
    一年前は宮古島の友人知人、親戚の人達に知られないように必死でした。
    今回は逆にそういった人達にお礼を込めて、あえて書きました。
    ここ数日は妹の同級生が何人か電話をかけてきてくれて、本当にありがたいです。
    そうです。
    いつもそばにいます。
    とても優しい妹でしたから、みんなを見守っています。
    いつもありがとうございます。
    又遊びに来て下さい。

  3. kokoro コメント:

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    早いですね~もう1年経ちましたか・・・
    セリフのところになったら、もう泣くしな無かったです。
    お子さんを残して・・・妹さん、さぞかし心残りだったことでしょう。
    家族、力あわせて、生きていきましょう。
    それが、今は亡き妹さんの供養だと信じます。
    あかばなが、とてもきれい・・・・・

  4. 管理人 コメント:

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    kokoroさん、いらっしゃい。
    あっという間の一年でした。
    会った事もない、kokoroさんや相太のファンの皆様からもたくさんの思いをいただきました。
    ありがとうございます。
    せりふは後半、感極まって宮古島の方言で叫んでしまいました。
    子供はね・・・ みんなで力をあわせて成長を見守っていきます。
    ほんと・・・  あかばながこんなに綺麗でこんなに切ないとは・・・
    ありがとうございます。
    又遊びに来てください。

  5. miemama コメント:

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    妹さんが無くなって、1年。
    思い出とともに、悲しみが、又出てくる時かもしれませんね。
    この思いは、天国に居る妹さんに、きっと伝わってると思います。
    聞いてて、涙が出てきました。
    棚原

  6. 管理人 コメント:

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    棚原さん、いらっしゃい。
    ありがとうございます。
    昨年3月の大野台公民館でのLIVEが思い出され、涙が溢れてきます。
    棚原さんには、聞いてほしかったんです。
    これからはたくさん音楽をやるつもりです。
    いつもありがとういございます。
    又遊びに来てください。

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