君は悲しみの・・・

着信音の鳴り続く携帯電話の画面を見ながら嫌な予感がした。
いつもはメールを送ってくる友達が、電話をかけて来た。
案の定内容は最悪の電話だった。
あまりの進展の早さに、呆然として事態がよく飲み込めない。
だって、治療をしたら2年くらいは持つって話していたんじゃないの!
でも友達の必死に力を込めて繰り返す、「ありがとう」に何だか現実なんだと理解する。
予定を変更して、GWのまっただ中、車で走り続けて5時間の式場に着いた。
実は夫婦とも同じ宮古島出身で、二人ともよく知っていて仲良しだった。
5年前のそれだという、ふっくらした感じの写真が笑いかけている。
そしてその前で、静かに眠っていた。
あまりの展開の早さに、正直何が何だか分からない。
でも間違いなく現実らしい!!
少し異変を感じていたのに、病院嫌いの友達は長い間病院に行かなかったらしい。
大バカ者だ!!

最初は東京に住んでいた。
そして二人でよく覚えたてのパチンコに行った。
そして埼玉に住んで、愛知県に引っ越して行った。
とにかく仕事だけは真面目で一生懸命だった。
夫婦とも宮古島出身の二人が、愛知県で家族の基礎を築いて行く。
焼香の列はかなり長かった。
ゼロから始まった愛知県での生活で、二人はこれだけの人が来るような基礎を築いて行ったのかと思うと、あいつを誇りに思った。
宮古島出身の人はとにかく自他ともに認める頑張り屋が多い。
あいつはここで頑張って来たんだな。
あいつは俺の誇りだ!!
宮古島出身で他の地で頑張っている人達の誇りだ!!
何にも持って来れなかった俺達は、とにかく頑張るしかなかった!
お前は大バカ野郎だが、お前は俺の誇りだ!
気丈な姿を見せていたが、幼なじみの妻が泣いている。
神様って本当に意地悪だ

式場に中央高速で向かう途中、電話とメールが呼び続ける
両方の友達が訃報を聞いて確認の電話だ。
式場に着いた時には、両方から同級生一同の花がすでに飾られていた。
嬉しかった
宮古島の同級生や友達が、二人のためにたくさんの想いを向けてくれている

残された家族に温かな想いを与え続けて欲しい。

昨日まで一生懸命頑張って来た、友達とその家族にイルカの「君は悲しみの」を送ります。

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