それから時間がたった昨年のある日、久しぶりに会うAさんが暗い顔をして話して来ました。
「Sちゃんの両親が郷里の高知へ引っ越す事になった。想い出の家を処分して、そしてSちゃんのお墓も高知へ移動しなきゃーならない」
Sさんは一人娘だったのです。
年を取ってきたご両親はまだ身体が動ける内に、家を処分して知っている人がたくさんいる郷里へ引っ越す事に決めました。
でもそれは家が売れたらの話でした・・・
しかし家は思ったよりも早く買い手が見つかりました。
そしてご両親は引越しの準備に取り掛かります。
先にSさんのお墓を移動しなければなりません。
私はどうしても、まだ見ぬSさんのお墓参りをしたくてたまりませんでした。
移動の日がどんどん近づいてくるのに、私は仕事が忙しくて中々お墓参りにいけません。
タイムリミットの最終日、今日この日を逃したらSさんのお墓参りが出来なくなる！！
仕事を何とか調整して、閉館時間１０分前にお寺の中に入りました。
入館者はお参りする人の名前と自分の名前を記帳しなければなりません。
最終日という事でSさんに何人かの来訪者がありました。
私はSさんの名前と松原とだけ書いて、Sさんの場所を探しました。
今日燃やしたとわかる線香の跡がいくつもあります。
静かに両手を合わせて無事にSさんのお墓参りが終わった私は、建物を出ようとして扉へ向かった時、偶然にも住職さんが出て来ました。
そして「時間など気にしないで、ごゆっくりしていって下さい」最後の入場者である私を記帳を見ながら「えーっと、Sさんですね！！ 明日高知へ行ってしまいますからね！！ どういった関係の方ですか」
私は上手く説明できなくてしどろもどろしていると「Sさんは現世では苦しんで若くして亡くなられたけれど、残された親御さんとか皆さんは決して悲しまなくてもいいんですよ！！」と仏教の世界の話をしてくれた。
会った事も無いSさんが、この世の中で同じ時間を過ごして生きていた事を実感し、住職さんの話しに感動し涙がこぼれそうになった。
そして翌日Sさんの引越しの日、ご両親がやってきて住職さんと話をしている時「そういえば昨日最後に男性の方がお見えになってましたよ」と話すと、誰だろうという感じで記帳を覗き込んで「ま・つ・ば・ら・・・」二人はしばらく考えていたそうです。
そして奥さんが「あっ！！あの歌の！！」仏壇の前に駆け出して、行って私の手作りのCDで名前を確認して「Sの歌を作ってくれた人です」と住職に説明してそしてその歌を住職に聞かせて号泣していたそうです。
私が心底、この歌を作ってよかったと思った瞬間でした。
その後すぐに父親から事務所に電話があったそうです。
しかし慌しい毎日でしたから、私は事務所にはいませんでした。
その後、こちらから電話してお話をする事が出来ました。
Sさんの父親はとても気さくな明るい方でした。
「あーいう風な歌も作ってくれて・・・」
「高知へ行ってもお元気で頑張って下さい。私も東京で頑張ります」
結局会って話ができないまま、その１週間後Sさんのご両親は高知へ引っ越して行きました。
何気ない出会いから生まれたこの歌を、私は作者として最初はSさんとAさんのために作った歌だと思っていました。
しかしこの歌を見つめ続けると、この歌は二人だけの歌ではなく二人のご両親の深い愛情も交えた愛の歌なんだと、いつしか思うようになりました。
今日１月３１日は志保さんが天国へ旅立って行った命日です。
いつもLIVEでこの歌を歌う時、曲紹介の前に「天国へ行ってしまった志保ちゃんと残された友達と二人のご両親へ心を込めて歌います」必ずそう言って歌います。
きっと今日も志保ちゃんは天国の雲の間からAさんと両親の元気な姿を見て楽しい時間を過ごしているでしょう。
先日青梅の梅郷へ行ってきました。
冬の終わりを知らせる紅梅の花が、ほんの少しだけほころびはじめていました。
毎年赤い梅の花を見ると、知らず知らずの内に「春遠からじ・・・ ２１歳」を口ずさんでいます。
音楽よもやま話しまで行けば聞けるようになっています。
ぜひ皆様も聞いてみて下さい。
終わり・・・
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赤い花を撮りにいったのですね。青梅ではもう梅が咲いていましたか。可愛いですね。家族との突然の別れは突然やってくる事があるんですね。この歌を聴く度に考えさせられます。
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アツミケンジさん、いらっしゃい。
青梅はまさに咲き始め、開花には約１ヶ月弱かかるでしょう。
その瞬間を毎年、撮影を逃していたんです。
今年は何年か越しで、満足の行く紅梅の花が撮れました。
運命の残酷さを感じずにはいられませんでした・・・
又遊びに来て下さい
って言うか今日辺り沖縄市場行きますか！！
電話します。
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この記事、最終まで読み毎回、涙が出ていました。不謹慎ですが、ドラマの世界の中だけのような出来事が実際にあったのですね…この歌を聞いてみたいです。ただ私の家はネットが入らない地域なので聞けないのが残念です 。ご両親、お友達にとってＹＯＵさんのＣＤはきっと宝物となったでしょいね
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みやさん、いらっしゃい
本当にね！ あるんですね。
こんな話が・・・
最初聞いた時は結構ショックでしたよ
でも何とかこの歌を聴いてほしいですね。
又遊びに来て下さい。
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何年経ってもＳさんのお友達だけでなく、会ったことのないそのお友達にまで、これだけ人の心に残るって、Ｓさんはきっと、短い生涯を精一杯生きた、とてもステキな女の子だったのですね。
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memeさん、いらっしゃい。
初めてでしたっけ・・・
間違いなくSさんは短い人生を一生懸命生き抜いたと思います。
たくさんの事を考えさせられます。
又遊びにきてください。
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人の縁の切なささ、儚ささ、あらためて考えさせられました。
南国より・・・
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うりずんさん。 いらっしゃい！！
書き終えた事にホッとしています。
その通りですね・・・
だからこそ、我々は一生懸命に何事にも向き合わなければなりません。
頑張れるということは、今を生きている我々に与えられた特権ですね。
人は時々その事を忘れがちです。
この物語を読んでの感想を送ってくれて、ありがとう！！
南国で頑張れよ！！
又遊びに来て下さい。
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はいさ～い！ 今晩は、 久しぶりで～す。
春遠からじ・・・ と 言う歌を 聴きました！
とても 良い歌ですね～ 詩と曲と あきぼ～のせつなく歌う声が 凄く良かったです。 思わずジ～ンと胸にきました。
本当に 良い歌ですねー！！
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長渕 剛さん、いらっしゃい。
久しぶりですね！！ 元気ですか
東京はまだまだ寒いけれど、宮古はもう暖かいでしょう
歌聞いてくれてありがとう。
嬉しいよ！！
3月か4月には帰るので、その時会いましょう。
又遊びにきてください。
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曲ききました。
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梅の写真を見ながら・・・
まだ まだ まだ が、聞いていて辛い・・・
生きてる私たちは、一生懸命、感謝jして生きなくてはね。
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kokoroさん、いらっしゃい！！
そうですか・・・ 紅梅の画像を見ながら聞いてくれたんですね。
私が一番望んでいた聞いてほしいシチュエーションでした。
ありがとうございます。
まだ・・・ たくさん恋愛もしたかったでしょう
まだ・・・ たくさん美味しい物も食べたかったでしょう
まだ・・・ 色んな所に行きたかったでしょう
まだ・・・ たくさん親孝行したかったでしょう
まだ・・・・・・
まだ・・・ にはたくさんの言葉が繋がります。
感謝！！この歌を聞いた人達がよく口に出してくれる言葉です。
感謝して生きていかなければなりませんね！！
又遊びに来て下さい。
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私も、若いうちに、仲のよかった友達を亡くしています。
だから、こういう話は弱いのです。
なかなかコメントを書けませんでした。
うまい言葉も見つかりません。
ただね、いい人ほど、神様が早く呼び寄せてしまうのですよ。
梅がきれいですね。
春遠からじ。春を迎えられるって、幸せです。
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ようこさん、いらっしゃい。
色々な背景の人に読まれるんだろうなとは、思っていましたが・・・
絶句してしまいました
辛い事を思い出させて申し訳ありませんでした
自分で撮影していて言うのもなんですが、こんなにきれいな梅の花を見た事がありません。
春はもうすぐです。
コメントありがとうございます。
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昨日、久し振りにＴＥＬをもらいありがとう！
さて、この唄の裏側には、こんな出来事があったんだね。
最近、年とったせいか涙もろくなりました。
私も、だんだん年をとるだびに友人、知人等がこの世を去って行って
います。本当にさみしいもんです。
最近作詞作曲は、していないけど、これからがんばろうな
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お～す、かずふみさん、いらっしゃい。
元気そうでしたね。
この歌は沖縄でのLIVEでも歌いました。
哀しい歌です。
かずふみも昔のように、たくさん歌を作って発表していきましょう。
又、今年も沖縄でLIVEしましょう。
又遊びにきてください。