5年ぶりの青い花の嶺上開花 山木康世

もしも変える事の出来ない辛い運命が決まっているとしたら、神様はその苦しみや辛さを乗り越えるために、歩まざるをえない道の傍らに、そっと心を安らげるための贈り物を置いているんだと思う
私にとってこの歌は、まさに神様からの贈り物だと信じている
最初はそんなに好きな歌ではなかったが、いつの間に毎日口ずさんでいた
そして5年前3月14日の相模大野台公民館での、山木康世さんのコンサートの1週間前、恐れていたリアル感のない悪魔の宣告!!「妹の余命一ヶ月」
本当に死ぬんだ!という気持ちに襲われながら、コンサートの準備を進めるしかなかった

突然、なぜこの歌を急に好きになって来たんだろう!!という疑問が解けたような気がした
「山木さん、妹が余命一ヶ月の宣告をされてしまいました。もう医学の力ではどうにもならない所まで来ました。宗教でも精神世界でも何にでも頼りたいんです。「白い花」所の歌詞を妹に力を与えるという「青い花」と歌ってくれませんか?」
突然の申し出に、「わかったよ!妹はどこの席に座るんだ。そこに向かって俺の全身全霊を向けて歌ってやるぞ」
舞台を一面の青い花で飾った
「嶺上開花」はその頃、アンコールで歌っていた歌だった
その歌を一曲目に歌ってくれた
泣きながら聞いていた
3曲目で体力がなくなっていた妹は疲れた様子だったので、会場を後にした
1曲目に歌ってくれなかったら聞けなかった
妹は山木さんをはじめ、兄弟や家族、観客達の想いを一心に受けたのだと思う
不思議な事にその二日後に妹は自分で歩けるようになって、トイレも一人で出来るようになった
でも病魔は確実に妹の身体を蝕み、余命1ヶ月を1ヶ月過ぎた5月10日に旅立って行った


今日、代官山のLIVE HOUSEで約2年ぶりくらいに山木康世さんのLIVEを見てきた
アンコールで、この時の話をして「青い花の嶺上開花」を歌ってくれた
涙が溢れて、まともにステージを見る事が出来なかった
5年前の相模大野公民館での、車椅子に座って山木さんに励まされ、少し無理して笑っていた妹の姿。
そして経験したことも無いような怖さの中、自分達に出来る事を一生懸命やり続けた松原家のみんなの姿、最後まで精一杯看病してくれた夫の姿、小学校に入学したばかりの一輝の姿、それらすべてが鮮明に思い出された。

あれから5年が過ぎたんだなー
あれはなんだったんだろうなー
毎年3月になるとあの時のコンサートを思い出して、この歌を聞いてばかりいた
今日は久しぶりに山木さんのLIVEに行って良かった
いつか一輝が分かるようになったら、この歌の事を話してあげようと思っている
それまでにこの歌を、勇気をもらった歌って紹介できるように毎日を正しく一生懸命生きようと思います
山木康世様ありがとうございました

2009年3月15日 奇跡のコンサート青い花