イギリスにて・・・ 一枚の写真

今日は日曜日で、他のスタッフは全員打ち合わせで外出中
とても静かな午前中です
こんな集中できる日にどうしても書きたかった事があります
その事をじっくりと時間をかけて書こうと思います

私が初めてコッツウォルズトーンを扱おうと思った時、英国のCNS社とアポイントを取る事が出来ました
そして今でも忘れる事が出来ない出来事が起きました
出発の3週間前までは順調に連絡を取り合っていた、相手が急に連絡が取れなくなりました
メールもダメ、電話もダメ、FAXもダメ、全く連絡が取れなくなりました
そんな中でも出発の時間は近づいてきて、いよいよ出発当日の朝を迎えて私は大きな不安の中イギリスに向けて出発しました
当時も今も英語のしゃべれない私は相手が迎えに来なかったら完全にアウトだったのです
しかし一人の男性が迎えに来てくれました
そして無事に初めての英国での打ち合わせを終えて、取引をスタートさせることが出来たのです
それから取引が続いた2005年7月イギリスで地下鉄同時テロが起こった日、私はその日ベルギーにいました
その翌々日にCNS社に訪問予定でした
現社長のルークと色々と話をした後、ルークが親父に会うかい?と言って父親の家に案内してくれました
その時に初めてイギリスに行った時に連絡が取れなくなった空白の3週間の理由が分かったのです
当時の社長は現在社長のお姉さんが社長をやっていました
父親はその時から会長に退いていたのです
ところがそのお姉さん社長は、順調に連絡をとり合っていたうちはいいんだけど、渡英のスケジュールを伝えたところ全く連絡が来なくなったのです
その日は、CNS社の親族一同でのホリデーの予定だったのです
日本人なら普通その時は、「この日はホリデーの為お会いする事が出来ません」って連絡を入れると思うのですが、全くその事を伝えないで無視されていたのです
そしてスコットランドのホリデー先でお姉さん社長が、会長である父親にその事を話します
「お父さん、そういえば明日日本からお客さんが来るわよ。会えないけど会社の近くのホテルを教えてあげたわ」
その事を聞いたお父さんは、「わざわざ日本からうちの会社を訪ねてくるんだったら歓迎してあげよう」
という言葉をだして、ホリデーをキャンセルして私を迎えてくれたという事です

その事を別のイギリス人に話すと「マツバラ ユーはラッキーマンだ」とびっくりしいました
イギリス人が仕事の事でホリデーを中止するなんてありえない事だと話してくれました
「その父親に感謝する事だ」と、イギリス人の感覚を熱心に話してくれたのです
その時に父親がいたからこそ、CNS社とのお付き合いがスタート出来たんだと思いました
取引後それまでは、クレームの連絡を入れると急に連絡が取れなくなったりして、取引継続を悩んだりしましたがこの話を聞いてからは、CNS社とはずーっと取引して行きたいと思いました
初代でコッツウォルズストーンの製造販売を始めた父親は相当の苦労をしたと聞きました
その苦労人だからこそ、遠い所から来てくれる私を快く迎えてくれたのでしょう
今年大きく成長したCNS社のミーティングルームで色々な話し合いをしました
話し合いが終了して、壁にかかっているこの写真に向かって「お父さん元気かい?」って聞きました
そしたら昨年亡くなったって聞かされました
思わず写真に向かって手を合わせました
私も今年父親を亡くしました
父親達の頑張りがあったからこそ、ルークやCNS社の発展もありますし、現在の松原工業もあります
何だかこの写真を見ると、色んな感情が沸き起こってくるんです
神妙な穏やかな心持になります
清らかな心で過去の出来事と、未来への希望と感謝に向き合える1枚の写真なのです

コメント: “イギリスにて・・・ 一枚の写真

  1. 管理人 コメント:

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    fukudaさん、いらっしゃい
    いい写真ですよね~
    正しく一生懸命頑張らねばと思います
    ありがとうございます

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