GW休暇をとって超大型連休中の方もいらっしゃるのでしょうか。
松原工業はカレンダー通りの営業なので、今日は通常営業となります。
さて、本日は先週弊社のHPに載せた代表松原のブログを再度MATSUBARA通信でもご紹介させていただきます。
代表松原が語るドライウォール積みについてのとっておきのお話です。
ドライウォール積みの色々なお話 by 松原
いわゆるドライウォール積み（空積み）と言われるコッツウォルズストーンを積む時の工法がある
イギリスコッツウォルズ地方へ行くと、いたるところにこのドライウォールの塀を見る事が出来て、長い年月を感じさせるドライウォールの壁はとても素晴らしい
日本でもこのドライウォール積みの出来る職人達はたくさんにいて、日本中の各地にドライウォールの塀を見る事が出来る
この工法の凄い所はセメントを使わずに、石の組み方だけで強度を生み出すという力学上の理論が組み込まれている工法であるという所だ
弊社もJAPAN HOME SHOWなどの展示会に出展した時に、この工法で積んだ展示用の塀を足で思い切り蹴飛ばして強度の高さを、お客さんにアピールしていた事がある
しかしこの場合のデミリットが2点ほど出てくる
まず一つは基礎部の一段目が、石２枚＋α分だけの面積が必要になってくる
広い土地がある現場ならいいのだけど、特に東京とか狭い土地にこの工法はあまり向いていない
もう一つの懸念点は地震とかが起きた時の強度の信頼性である
今から９年ほど前熊本大震災の後、北九州の取引先に訪問した時の話しである
担当者に「今から見せたい現場がある」と言われ、帰りの飛行機の時間までにと高速をすっ飛ばしてある施設に案内された
そこにはきれいに積まれたコッツウォルズストーンのドライウォールの塀が崩れており、まだ再生補修工事がスタートしてない崩れたままの地震の爪痕が残されていた
それだけでも衝撃的な光景であったが、それよりもさらに衝撃的な光景があった
崩れたドライウォールの壁の隣に、高さ１m×長さ１ｍのシングル積みのオーストラリアのレンガの壁が無傷のまま立ち誇っていた
ドライウォール積みの素晴らしさ（強度）を理解していた私には、まさに後頭部をぶん殴られたような衝撃度であった
それと同時に安ど感も起きていた
実は松原工業は以前から、狭さと強度対策のために大きな石を半分に切って、鉄筋を入れてセメントで固めたドライウォールの塀を推奨していた
オーストラリアのレンガの壁は違いなく縦筋、横筋、セメントを使用している
弊社は同じ工法でドライウォールの塀を施工していたのである
そのためレンガの塀やブロック塀以上の強度が容易に予想され、ものすごく頑丈なドライウォールの塀が誕生している事になる
しかし職人達の技術によって積み上げられた石積みの精巧さを見た時に、ドライウォール積みでセメントを使うと言う事はいわゆる邪道である
それでもあの時見た無傷のオーストラリアレンガの壁の衝撃度を覆す事は出来ない
弊社は大きな切断機を数台保有しており、石の切断は簡単に行う事が出来る
ドライウォール積みの見積もり依頼が来た場合は、道路に面している時は必ず半割りのドライウォールとセメントを使用した工法を勧めている
現在の施工別の割合は7対３くらいの割合で半割りとセメント使用のドライウォール積みが多い
半割りのドライウォールとセメントを使用した場合のデミリットもある
それはセメントを使用したことによる、水分の滞留時間の長さである
石だけで積んだ場合水分の滞留時間は短くて済むが、間にセメントで補強されている場合は滞留時間が長くなる
その為に経年変化の割合が少し増す事になる
簡単に言うと、石の色の変化が早くなる事になる
しかしながら弊社では塀の石の色の変化よりも、塀の強度を最重要視しておりお客様には半割りのドライウォールとセメント使用を勧めているのである
実際イギリスコッツウォルズ地方で見られるドライウォールの塀は、とても長い時間が経過しているためハニーカラーの塀というのはほとんど見る事が出来ない
ハニーカラーの抜けた薄グレーの塀が殆どだ
それは長い経年変化を経てきた、コッツウォルズ地方のドライウォールだけが見せる事の出来る素晴らしい芸術作品のようだ
松原工業はこれからも半割りのドライウォールとセメント使用のドライウォールの塀を推奨していきます
編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥
GW後半に習い事の発表会があります。こどもの、ではなく私のです。
毎週末リハーサルがあり、この歳にして（歳は内緒）、緊張したり、先生に怒られたりしています。
覚えることだらけでクタクタですが、家族にも随分協力してもらったし、やり切るしかありません。
母であり、仕事を持ちながらも頑張っている同じ仲間たちと一緒に終わったあと美味しいビールを飲めるように、頑張るのみです！
ヨーロッパレンガの豊な表情を乾式レンガで・・・
◇発行／制作：有限会社松原工業