ありがとうスガノ技研 感謝で一杯です②

菅野社長は物凄く、温和で優しい表情をした人物でした
初めてスガノ技研の仕事部屋で会った時に、色んなお話をされました
日本の高度成長期に、ダイヤモンドカッターの刃を発売して飛ぶように売れた事
大手メーカーに騙された事
オイルショックで物凄い在庫を抱えた事
信頼していた部下に裏切られた事
話しを聞いていて、時間がたつのを忘れてしまうほど、商売の話やダイヤモンドカッターの話、タイル業界の話等たくさんしました

中でも信じられなかった話がありました
菅野さんは安全なダイヤのカッターの刃をつくりたいって事で、怪我をしないために指が刃にあたっても指が切れる事の無いような刃を一生懸命開発したそうです
にわかに信じられませんでした
現場の職人にすれば、ありえない話です
ある時、事務所にその刃を持って来て見せてくれました
高速回転で回っているダイヤーの刃を、菅野さんが指で触れるのです
思わず周りにいた人間が、「あっ」って叫びました
ところが菅野さんはにやにやしながら、何度もダイヤの刃を触って見せるのです
これには一同びっくりしました

代表取締役というには菅野さんは人が優しすぎたと思います
信頼していた部下に裏切られるような形で、大きく会社が発展するタイミングを2度も逸してしまったという事です
「若い頃はこの人怖かったのよ~」と奥さんが話します
でもまったくそんな事は想像出来ないような、菅野さんでした
ある時、ダイヤモンドカッター業界の人話をした時があります
その時偶然その人の口から「スガノ方式」という言葉が出てきました
びっくりしました
相手は菅野さんの事は一切知りません
でも業界内に「スガノ方式」という言葉が残っている事に私はびっくりして、そして嬉しくなりました
現在世界基準になっているダイヤモンドカッターの刃の、直径105ミリも菅野技研がやり始めたそうです
昔からの業界の知り合いは、「今頃ビルの2~3くらいは持っていると思っていたよ」と笑って話されるそうです

そんな菅野さんと知り合えて私は本当にラッキーでした
その頃70歳代後半の菅野さんは、自分で車を運転して弊社まで何度も来てくれました
私も正月3日目にはよく新年の挨拶がてら遊びに行ってました
毎年、にこやかな笑顔で迎えてくれました
私の事を商売度外視で、応援してくれました
私がヘルニアの手術をした時などは、朝から病院に駆けつけてくれて手術が終わるまで、ずっと妻と一緒に待っていてくれました
男の子がいない菅野さんは、息子が出来たみたいだと話してよくかわいがってくれました

そして菅野さんとのお別れの時がやってきました

続く・・・

松原工業の忘年会にて

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