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【8】海の庭の駐車場~前編~


駐車場を造成します。


まずは整地~砕石展圧。



この駐車場は、オーナー様の自邸から見れば、南面の主庭にもなります。


そのため、ただの駐車場ではなく、「庭」としても 鑑賞に堪えうるものにしたいと考えました。


前回ご紹介した「ウッドデッキ・テラス」に立って、目の前に広がる庭を眺めた時に、


悠然とした、心地よい気持ちになって頂けるように。



 


旧宅の庭では、色々な庭石が使われていました。



それらの一部を残してもらい、新しい石組をつくることにしました。


とりあえず、奥の塀のほうへ寄せておきます。



 



石というのは、ものすごい重いもの。だいたい、水の2.5~2.7倍の重さがあります。


直径40cm程度の石が、成人男性が持てる限界の大きさと言われています。


   (※参考文献・・・『庭仕事の庭石テクニック』 高崎康隆監修、誠文堂新光社、2013)


大きすぎる石は、重機頼み。据える位置や向き、埋め込む分量等も大体確定させた上で、運んでもらいました。


この石組みについては、また別途。


 



一方、駐車場の方は。



ウッドデッキテラスを手がけた大工さんが、


地面に描いたラインに沿って、等間隔に杭を打ち込んでいきます。




杭に当てて板を曲げ、曲線(R)の型枠を作って行きます。



じわじわ拡大。



 


ところで、


本現場では、あるモチーフを デザインの統一コンセプトとして設定していました。


それは、『海』。


 


石積み外壁花壇は、「波」を意識していました。


アパートの共有中庭は、「雫」および、「波紋」を。


いずれも、『海』という主題から引き出したイメージです。


なぜ『海』か というと、、、


オーナー様が、海に縁のある方だったから。


 


故郷の風景や、特別親しみのある風景には、特別情緒的な、‘懐かしい’ という気持ちが呼び起こされます。


‘懐かしさ’ というのは、


‘しっとりとした嬉しさ’や、‘どこかほろ苦い甘辛さ’、‘はるか遠いところへの憧憬’など、独特の感傷を引き出します。


 


普段の忙しない生活の中、庭をふと眺めた時に、その特別なしっとりした感情が ちらっとでも喚起できたら。


という、願いを込めて。


 


この『海』という統一コンセプトを 最も直截的に表現したのが、この駐車場です。



奥のほう(異界)から じわじわ押し寄せてくる 波。


あるいは、ひたひたと、静かな波打ち際の風景に見えるでしょうか。


あるいは、一滴の波紋の一部分をぐーっとクローズアップして見た感じにも、見えるかもしれません。



 


それにつけても、


ここはあくまでも駐車場。


最もシンプルかつ安価な方法である:土間コンクリート打設で仕上げて行きます。



広すぎるので、段階を分けて打って行きます。


奥の方から、順々に。



橋をうまいこと架け渡して、均していきます。



コンクリート土間は、大面積になると、どこかにヒビ割れ(クラック)が生じ易くなります。(乾燥に伴い、収縮・膨張が発生するため。)


ヒビ割れ防止のため、面積が広い場合は 何らかの仕切りを設けて、小分けにします。


今回は、連続する波のラインが、仕切り目地の役にもなっているのです。



念のため、タテのラインにも仕切りを設け、さらに小分けにします。


(犬が見守っています。)


 *


 



スリップ防止のため、表面を少しざらつかせる「ハケ引き仕上げ」に。


ほとんど目立たなくなるのですが、この細かいハケ痕の線もまた、波を表現する一役。



 


第2回目の打設。


徐々に、空間いっぱいに拡がる大きな波紋へ。



全体に「海」が拡がっていく様子が、やっと現実に見えてきました。



土間コンクリートは、ドロドロ状態のものを流し入れてから 乾き始めるまで、時間が限られているので、


仕上げまで 一気にやらねばなりません。


日暮れまでに、ここまで来ました。



翌朝。



ぎゃー!犬が足あとつけちゃってる!


 


でも大丈夫。ここは(ギリギリ)仕上げ面ではない、ただの下地打ちの部分。



押し寄せた波の末端である 駐車場庭入口のスロープ部分は、


ピンコロ石を びっしり敷き詰めるのです。



ピンコロ石ももちろん、『波』の一役。


 


   ~後編へ続く。~


 


 


 


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